「新NISAって結局なにが得なの?」「いくらまで非課税なの?」という疑問に、金融庁のNISA特設ウェブサイトと国税庁のタックスアンサーだけを使って答えます。
この記事は制度の仕組みの解説です。特定の銘柄や投資信託をすすめるものではありません。投資には元本割れのリスクがあり、NISAを使っても値下がりで損をする可能性は変わりません。
NISAは「税金がかからない口座」
株式や投資信託に投資して、売って得た利益や受け取った配当には、ふつう約20%の税金がかかります(金融庁)。国税庁のタックスアンサーによると、上場株式等の譲渡益の税率は所得税15%・住民税5%で、これに復興特別所得税(所得税額の2.1%)が加わります。合計すると20.315%です。
NISA口座で買った上場株式等の配当や譲渡益は非課税になります(国税庁)。NISAは「何か特別な商品」ではなく、税金のかかり方が違う口座(入れ物)だと考えると分かりやすくなります。
| 計算例(当サイトの計算) | ふつうの口座(課税口座) | NISA口座 |
|---|---|---|
| 利益10万円を受け取ったとき | 税金 20,315円 | 税金 0円 |
| 手元に残る利益 | 79,685円 | 100,000円 |
※税率20.315%をそのまま掛けた単純な例です。実際の税額は取引の状況や口座の種類で変わります。
数字で見る新NISA(360万円・1,800万円)
| 項目 | 内容(金融庁) |
|---|---|
| 始まった時期 | 2024年1月から(制度は恒久化) |
| 使える人 | 日本に住む、利用する年の1月1日時点で18歳以上の人 |
| 口座の数 | 1人1口座。金融機関の変更は1年単位で可能 |
| 年間の投資枠 | つみたて投資枠120万円+成長投資枠240万円=合計360万円 |
| 生涯の上限 | 1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円まで) |
| 非課税で持てる期間 | 無期限 |
年間の上限いっぱい(360万円)を毎年使い続けると、1,800万円には5年で届く計算です(当サイトの計算)。上限まで使い切る決まりはなく、いくら投資するかは自分で決められます(積立の最低金額などは金融機関ごとに違います)。
つみたて投資枠と成長投資枠の違い
| つみたて投資枠 | 成長投資枠 | |
|---|---|---|
| 年間の上限 | 120万円 | 240万円 |
| 生涯の上限 | 2つの枠の合計で1,800万円(成長投資枠はそのうち1,200万円まで) | |
| 買えるもの | 金融庁が定めた条件を満たす投資信託など(対象商品の一覧は金融庁のサイトで公開) | 上場株式・投資信託など(整理・監理銘柄、信託期間20年未満の投資信託、毎月分配型の投資信託、デリバティブ取引を用いた一定の投資信託等は除外) |
| 買い方 | 積立 | 一度にまとめて買う・積立のどちらも |
2つの枠は同じ年に併用できます。つみたて投資枠だけで1,800万円を使い切ることもできますが、成長投資枠だけでは1,200万円が上限です。
つみたて投資枠の対象商品の一覧は、金融庁のサイトで公開されています。「対象になっている=値下がりしない」という意味ではない点に注意してください。
売ると枠が戻る(翌年に簿価分)
NISA口座の商品を売ると、売った商品の買ったときの金額(簿価)の分だけ、翌年以降に非課税の枠が復活します(金融庁)。
- 例:100万円で買った投資信託を売る → 翌年に100万円分の枠が戻る(金融庁の例)
- 生涯の上限(1,800万円)も、年間の枠(360万円)も「簿価」で計算します
- 値上がりして150万円で売っても、戻るのは買ったときの100万円分です
ただし、枠が戻るのは売った年ではなく翌年です。また、年間の投資枠(360万円)は変わらないため、戻った枠を1年で一気に使えるわけではありません。
損失が出たときの注意点
NISAで一番知っておきたいのがここです。国税庁は、NISA口座で取得した上場株式等を売って出た損失は「ないものとみなされます」と説明しています。そのため、
- ほかの口座(特定口座など)の利益と相殺(損益通算)できません
- 損失を翌年以降に繰り越すこと(繰越控除)もできません
ふつうの口座(課税口座)なら、上場株式等を売って出た損失は、確定申告をすれば上場株式等の配当などと損益通算でき、使いきれない分は翌年以後3年間繰り越せます(国税庁)。NISA口座の損失には、この仕組みが使えません。
非課税は「利益が出たとき」にだけ効く仕組みです。値下がりすれば、NISAでもそのまま損になります。投資した元本が保証されるわけではなく、元本割れすることがあります。
「非課税」と「安全」は別の話
- NISAは税金のかかり方のルールで、商品の値動きのリスクを小さくする仕組みではありません。
- どの商品を選ぶか、いくら投資するかは、収入・支出・生活防衛資金なども考えたうえで、ご自身で判断してください。
旧NISAとの関係
2023年末までの一般NISA・つみたてNISAで買った商品は、新NISAとは別枠(外枠)で管理され、旧制度のルールで非課税が続きます。1,800万円の枠を使うことはありません(金融庁)。ジュニアNISAは2023年で制度が終了しています。
旧制度の非課税で持てる期間は、一般NISAが5年、つみたてNISAが20年でした。新NISAは期間が無期限になった点が大きな違いです。
2027年からの変更(0〜17歳)
金融庁によると、2027年1月からつみたて投資枠の年齢の条件がなくなり、0〜17歳も口座を開けるようになります。
- 未成年の年間投資枠は60万円、非課税保有限度額は600万円
- 未成年は成長投資枠を使えず、金融機関の変更もできない
- 0〜17歳の間は原則として引き出せない(12歳以降は、子どものための使い道・子の同意書面・親権者等の申出など一定の条件で引き出し可能)
細かい手続きは今後、金融機関ごとに案内される見込みです。最新の情報は金融庁のNISA特設ウェブサイトで確認してください。
始める前に確認したいこと
| 確認すること | 理由 |
|---|---|
| 急な出費に使うお金を別に取ってあるか | 値下がりした時期に売るしかなくなるのを避けるため |
| どの金融機関で口座を開くか | NISA口座は1人1口座。変更は1年単位 |
| 手数料・取扱商品 | 金融機関ごとに違う(ネット証券の手数料比較) |
| 商品の中身とリスク | 投資信託は目論見書で、投資先・費用(信託報酬など)・リスクを確認 |
NISAの非課税の範囲は「利益と配当」です。投資信託を持っている間にかかる費用(信託報酬など)はNISAでもかかります。
出典・注意書き
基準日:2026年10月時点(各ページは2026年10月27日に確認)
- 金融庁「NISAを知る(NISA特設ウェブサイト)」:https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/index.html
- 金融庁「新しいNISA」:https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/nisa2024/index.html
- 国税庁 タックスアンサー No.1535「NISA制度」(令和8年4月1日現在法令等):https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1535.htm
- 国税庁 タックスアンサー No.1474「上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除」:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1474.htm
- 国税庁 タックスアンサー No.1463「株式等を譲渡したときの課税(申告分離課税)」(令和8年4月1日現在法令等):https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1463.htm
ご注意
- 投資には元本割れのリスクがあります。NISAを利用しても、値下がりによる損失は避けられません。当サイトは特定の金融商品をおすすめするものではありません。投資の最終判断はご自身でお願いします。
- 税金の説明は制度の一般的な内容です。個別の税額は、国税庁のサイトや税務署・税理士にご確認ください。
- 計算例は当サイトが税率を単純に掛けたもので、実際の税額を示すものではありません。
- 制度は改正されることがあります。最新の内容は金融庁・国税庁のサイトでご確認ください。